親爺の鬼平 - 艶物話

-- お盗め --

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8−閑話

ちなみに、「さいとう・たかお作 久保田千太郎脚色 リイド社刊」の鬼平犯科帳では、こんな塩梅に描かれているんですな。

株式会社リイド社

京極備前守の更なる雄姿?は、こちらにて確認!

あきれた奴
火盗改メ同心・小柳安五郎が非番に妻子の墓参りの後、両国橋で身投げをしようとするのを助けた母子は、先日、小柳自身がお縄にした盗賊・鹿留の又八の女房子どもだった。
それを知った小柳は・・・・。
数珠師として仕事も評判が良く、身寄りのない「おたか」を引き取っていた仏具屋・伊勢屋の口利きで「おたか」と夫婦となった又八。
盗めをやめ、真っ当に生きようと思い定めるほど、穏やかな暮らしを送っていたとあって「おたか」の躰もまろやかで艶っぽい変化をみせていたんですねぇ。
結婚して、色っぽくなる女性は幸せな証拠か。
流星
火盗改メ組下の家族を狙った殺害が続き、役目と組屋敷の安全に苦慮する平蔵に、これまでも何かと配慮してくれた直属上司の「京極備前守高久」は、平蔵の意を察して他の御先手弓組に四谷坂町組屋敷警護を命じた。
え〜、男女の色恋では無いんですが「男の心意気に男が答える」といったものも、私には「艶っぽい」と感じまして載せてみました。
当然、京極備前守には平蔵を推挙しお役目に当たらせるからは、失策が続けば自らの力量も問われる事になるでしょうし評判にも響くわけですから打算もあるでしょうが、それでも尚、平蔵の能力をかってもい、人柄を好いてもいたからこそ、申し出が無いのに手を打ってくれたのでしょう。
部下からすると、こういった上司は非常に有り難い存在で、益々頑張ろうと言う気になるものです。
誠に、錬れた人心掌握術と言えましょう。
あきらめきれずに
嘗て高杉道場の食客で若き日の平蔵達に不伝流居合術を教えた「小野田治平」は、岸井左馬之助に娘を貰って欲しいという。
そこで、左馬之助と共に甲州街道、布田の五ケ宿に赴いた平蔵だが・・・・。
・・・で、この小野田治平の娘「お静」が数年前に駆け落ちした相手が実は盗賊「浅井高之助」という男で、お静と[より]を戻し「あきらめきれずに」連れ去ろうとするのを、平蔵が斬り倒したわけですが、剣友・岸井左馬之助と小野田治平の娘「お静」は、結局、良い仲になり後に結婚します。
そんなこんなの後、平蔵と妻女・久栄の会話がこれ。
なんとも、ほんわかした感じで、厳しく激しい役目内の平蔵と「家庭人」としての平蔵のギャップが「鬼平犯科帳」の魅力のひとつでもありますな。